場の空気というものがあります。それは目に見えないのですが確実にあって、その空気によって人は元気にうれしくなったり、楽しくなったり、いらいらしたり、しょんぼりしたりします。そして、その空気を作り出すのもその場にいる人たちだと思います。例えばお祭りとか花火大会に行くとすごくうきうきするのは、その場にいる人たちがみんなうきうきしているからだと思います。逆に都会の人ごみの中を歩いているといやーな気分になるのは、その場にいる人たちがみんないい気分ではないからだと思います。お祭りや花火大会でなくてもうきうきする場はあります。僕は根上さんの家の近くの古い銭湯に行くととてもうきうきします。でも確実にそういううきうきする場は少なくなってきていると思います。人が集まる場というものの大切さが忘れられてきてしまっている気がします。演劇は観ている人の力がみなぎってくるような場を作り出す芸術だと思います。そして観た人が自分の場でもいい空気を作り出そうと思うきっかけになれば最高だと思います。